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2016 年度 実施状況報告書

ラットHUSモデルにおける新たな治療法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K20086
研究機関金沢大学

研究代表者

栗田 昭英  金沢大学, 附属病院, 准教授 (10507081)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードHUS / ベロ毒素
研究実績の概要

HUS(溶血性尿毒症症候群)は,EHEC(腸管出血性大腸菌)感染によって産生されたベロ毒素による微小血管障害が病態と考えられている.ベロ毒素による微小血管障害は,微小血管障害そのものによる臓器障害だけでなく,血管内皮障害によって生じる高サイトカイン血症が病態をさらに悪化させている可能性がある.しかしベロ毒素がどのように炎症反応を惹起し,HUSを引き起こすかは多くの謎がある.またその治療法を開発するにあたって,HUSモデルラットの開発は絶対必要な過程であるため,本年度の研究としては,HUSモデルラットの作成を主な目標とした.
HUSモデルラット作成のため,ベロ毒素2(from E.coli O‐157, NAKARAI TESQUE, INC, Japan)を腹腔内に1μg/kg投与し生存率を検討した(n=20).5日間の生存率は20%であり,LDHの著増とBUN,クレアチニン値の上昇を認めたが,HUSの特徴である貧血と血小板減少を認めず,むしろ血液濃縮を示唆する所見であった.また,腎の顕微鏡的所見では,微小血管の血栓閉塞を認めたが,炎症細胞浸潤やアポトーシスは認めなかった.また,血中サイトカイン値もほとんどのラットで変化が見られなかった。以上より,HUSを発症しての死亡というよりもむしろベロ毒素2により全身血管から血管内容量の漏出が生じ,これによるショック,全身過凝固による血栓症によって死亡したものと考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HUSモデルラット作成が困難であるため,いろいろ試行錯誤をしている.

今後の研究の推進方策

本年度もHUSモデルラット作成を目標とし,臨床像とよくマッチしたモデルラットを早急に作成したい.

次年度使用額が生じた理由

HUSモデルラットの作成に難渋し,計画通り実験が進まなかった.

次年度使用額の使用計画

実験ペースを上げて取り組む予定.

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公開日: 2018-01-16  

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