人工心肺を用いる心臓大血管手術患者で生じる溶血発生頻度と術後腎障害(AKI)の発生との関連を究明した。116名の研究患者のうち、ハプトグロビン製剤が投与をされなかった患者では、人工心肺の開始より遊離ヘモグロビンが増加し、人工心肺終了30分後に最大値となった。術後AKI発生群では、術後AKI非発生群と比較して有意に血中遊離ヘモグロビン濃度の増加が生じた。また同じ患者群において、術後1 日目の遊離ヘモグロビン値とNAG値に有意な相関をみとめた。 現在、血中ハプトグルブリン濃度の推移に関する検討も行っており、これらの情報をまとめて学術雑誌に報告予定である。
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