研究課題/領域番号 |
16K20099
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 貴大 広島大学, 病院(医), 助教 (10432668)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 糖尿病性神経障害性疼痛 / 抑肝散 / 加味逍遙散 / 抗アロディニア効果 / セロトニン / 下降性疼痛抑制伝導経路 |
研究成果の概要 |
糖尿病性神経障害性疼痛(DMラット)に対する抑肝散(YKS)と加味逍遥散(KSS)の鎮痛効果(抗アロディニア効果)を検討した。単回投与ではYKS投与群に有意な抗アロディニア効果を認め、継続的投与ではYKS投与群・KSS投与群に有意な抗アロディニア効果を認めた。 YKSの抗アロディニア効果発現部位の1つが脊髄である可能性を考え、YKSを継続的に投与したDMラットの髄腔内に3つのセロトニン(5-HT)受容体拮抗薬を投与した。その結果、すべての5-HT受容体拮抗薬で疼痛閾値の低下が認められた。YKSの抗アロディニア効果の発現には脊髄の5-HT受容体が関与する可能性が考えられた。
|
自由記述の分野 |
痛み
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性神経障害性疼痛に対して、抑肝散の単回経口投与は有意な鎮痛効果を示した。すなわち、抑肝散には屯用による鎮痛も期待できる。また、継続的投与では、抑肝散も加味逍遙散も有意な鎮痛効果を示し、投与終了までその鎮痛効果は継続した。すなわち、両薬剤は継続的に投与することで鎮痛薬としての効果を発揮しうると考えられた。その効果部位に関しては、抑肝散を継続的に投与したモデルの脊髄腔内にセロトニン受容体拮抗薬を投与したところ有意な疼痛閾値の低下つまり疼痛が再燃したことから、抑肝散の鎮痛効果は脊髄のセロトニンによる下降性疼痛抑制伝導経路の関与が考えられた。
|