手術のストレスにより体内で合成される内因性アルデヒドは臓器障害を引き起こし術後の有害事象の発生に影響を及ぼす可能性がある。日本人はアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子変異率が高く、一部の患者では術後の内因性アルデヒドが高値となるおそれがある。 我々は乳腺悪性腫瘍手術術後患者の急性痛を1週間にわたり記録した。その結果、術後痛の強さは3群の異なる時間経過をたどるサブグループに分類できることが明らかになった。しかしながら、術前に調査したアルコール過敏性とサブグループとの間に有意な関連は認めなかった。 一方、内因性アルデヒドの蓄積を調査するため、ラットにアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤であるシアナマイドを投与して術後痛モデルを作成、行動解析をすすめ、安定したモデル作成を完成させた。
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