平成30年度は、施行した実験結果を集積、解析し、論文化した。 作成したCCIモデルラットは、持ち上げ/ガーディング、フリンチング/ Shakingおよび舐め等の「異常な動き」を示し、モデルラットとして成立していることが確認された。 実験に使用したすべての動物は、全実験期間中に死亡することはなく、CCI手術後、ADMSC移植後も、経時的に体重増加した。 自発痛の測定として、ラットを肢動作回数を計測する専用のケースに入れ、肢動作回数を計測した。分割プロットデザインによる分散分析を施行した結果、交互作用は認めず、測定時期に関わらずADMSCの移植の有無により、肢動作回数に有意差を認めた。また、その後の検定として、対応のないT検定を施行し、移植21日後、移植28日後、移植35日後で有意差を認めた。結論として、ADMSC移植は、自発痛関連行動回数を、移植21日後以降有意に減らしたということが言えた。 機械的異痛症の測定として、von-Frey filament testを行った。分割プロットデザインによる分散分析を施行した結果、交互作用を認めたため、その後の検定として、対応のないT検定を施行し、移植7日後、移植14日後、移植21日後、移植28日後、移植35日後、移植42日後で有意差を認めた。結論として、ADMSC移植は、機械的異痛症を、移植7日後以降有意に軽減したということが言えた。 以上の結果をまとめ、Dokkyo Journal of Medical Sciencesに投稿し、掲載された。
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