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2016 年度 実施状況報告書

二酸化炭素吸入を用いた蘇生後の新たな治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 16K20117
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

木田 康太郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70385318)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード心停止 / 心肺蘇生 / 二酸化炭素
研究実績の概要

心停止による死亡率は非常に高く世界的に主要な死因の一つである。自動体外式除細動器や蘇生後の低体温療法といった心肺蘇生法の進歩にもかかわらず心停止・心肺蘇生後の予後は未だ不良であり、今現在有効な治療薬は存在しない。
申請者はこれまでの研究過程で蘇生後のCO2吸入が脳血流を増加させることが明らかにしてきたが、CO2吸入が蘇生後の予後を改善するかは不明であった。一方、動物実験では高二酸化炭素血症が脳虚血に対して保護的に働くことが報告されており、さらに最近の観察研究において蘇生後に高二酸化炭素血症であった患者は蘇生後12ヵ月後の神経学的予後が良好であったことが示された。本研究計画は心肺蘇生後のCO2吸入による脳血流の増加が蘇生後の予後を改善するとの仮説を検証し、蘇生後のCO2吸入を新しい治療法として臨床応用が可能であるかを明らかにすることを目的としている。
研究実施計画に基づき、平成28年度は蘇生後の二酸化炭素吸入が蘇生後の生存率に与える影響を明らかにすることを目的として研究を行った。麻酔下にマウスに気管内挿管後、動脈圧、中心静脈ラインを確保し塩化カリウム(KCl)投与により心停止を起こす。8分の心停止後、人工呼吸 (FiO2=1.0)、エピネフリンの持続投与を開始し胸骨圧迫(約300回/分)を行い蘇生を行った。蘇生後10分後から、5%の二酸化炭素吸入を2時間継続したが、現在までに予後を改善する有意な差はみられていない。今後は二酸化炭素の吸入条件を変え、蘇生後の予後に対する影響を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスの心停止・心肺蘇生モデルを作成するためのセットアップが完了しており、今後も困難なくモデルの作成が可能であるが、吸入条件を変えた場合の検討がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

① 平成29年度は吸入条件を変え、さらなる検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

既存の実験機材を使用しての実験が可能であったため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

研究に使用しているコンピューターの不具合がみられているため、新たな研究用コンピューターの購入に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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