米国では年間およそ36万人が病院外心停止を起こしている。治療にかかる医療費は膨大で、病院外心停止患者一人の治療に平均で約 10 万ドルかかり、その結果年間 330億ドル以上が病院外心停止患者の治療に使われているが、有効な治療法はない。本研究結果から二酸化炭素(CO2)の吸入が蘇生後の予後を改善する可能性が示された。CO2 は安く、化学的に安定な分子であることから酸素と混合した状態でガスボンベに保存でき、特別な装置を使わずに蘇生後の患者に投与することが可能である。これらの利点から蘇生後のCO2 吸入は臨床への導入は比較的容易であり、応用されればそのインパクトは非常に大きいものであると予想される。
|