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2017 年度 実績報告書

LDLによる腎癌ソラフェニブ耐性の獲得機序の解明と新規マーカー、薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K20123
研究機関山形大学

研究代表者

内藤 整  山形大学, 医学部, 助教 (00431643)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード腎癌 / LDL / 薬物耐性
研究実績の概要

我々の共同研究者はこれまで腎癌細胞株、前立腺癌細胞株において、PI3K/Akt/mTOR経路の活性化がスニチニブを含むチロシンキナーゼ阻害剤耐性に寄与することを示してきた。また、前立腺癌や心筋においてLDLがAktのリン酸化を介してAkt/mTOR経路を活性化することが報告されている。そこで我々は腎癌においてLDLがチロシンキナーゼ阻害剤耐性に寄与する可能性について検討してきた。
腎癌細胞株にLDLを添加したところ、Akt及びmTOR下流蛋白のリン酸化が確認された。また、腎癌細胞株の培地にLDL添加もしくは非添加した状態でソラフェニブもしくはスニチニブを投与し細胞増殖を見たところ、LDL非添加培地ではソラフェニブ、スニチニブともに濃度依存性に細胞増殖抑制を示した一方、LDL添加培地では両者に対して抵抗性を示した。その効果はソラフェニブにおいて特に強かった。
SCIDマウスに腎癌細胞株を皮下移植し、通常食もしくは高脂肪食で飼育したところ、高脂肪食群で血漿コレステロール値が高く、腫瘍の増大も速かった。また、これらのマウスにスニチニブを投与したところ、高脂肪食群ではスニチニブ耐性を示した。
さらにLDLによるチロシンキナーゼ阻害剤耐性化機序を精査するためLDL添加培地下及び非添加培地下で培養した腎癌細胞株の遺伝子発現をCAGE法により網羅的に解析し比較したところ、骨格筋細胞の分化、RNAポリメラーゼから転写の負の制御、筋構造発達にかかわる遺伝子群の発現が亢進し、コレステロール合成、二次性アルコール合成経路、コレステロール代謝プロセスにかかわる遺伝子群の発現が低下していた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] LDL cholesterol counteracts the antitumour effect of tyrosine kinase inhibitors against renal cell carcinoma2017

    • 著者名/発表者名
      Sei Naito, Peter Makhov, Igor Astsaturov, Konstatin Golovine, Alexei Tulin, Alexander Kutikov, Robert G Uzzo, Vladimir M Kolenko
    • 雑誌名

      British journal of Cancer

      巻: 116 ページ: 1203-1207

    • DOI

      10.1038/bjc.2017.77

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Variation of gene expression profiling caused by adding LDL in renal cell carcinoma2018

    • 著者名/発表者名
      Mayu Yagi, Sei Naito, Hiromi Ito, Takafumi Narisawa, Yuta Kurota, Hidenori Kanno, Masaki Ushijima, Michiobu Ozawa, Tomoyuki Kato, Norihiko Tsuchiya
    • 学会等名
      日本癌学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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