セカンドメッセンジャーcAMPのターゲット分子の一つであるExchange protein directly activated by cAMP (Epac)の膀胱における発現を、蓄積された臨床データの利用可能なヒト組織にて比較検討した。閉塞膀胱および正常膀胱においてEpac1、Epacd2ともに有意な差を認めなかった。Ussing chamberを使用し膀胱上皮表面積の測定も行ったが、正常膀胱と閉塞膀胱において信頼のおけるデータを採取することが不可能であった。以上よりEpacが膀胱に発現しているものの、病的状態でも発現に変化はなく、Epacをターゲットとした研究を進める意義は低いと思われた。
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