研究実績の概要 |
IgA腎症とIgA沈着症、健常者の保存血清よりIgA coupling beadsを用いてIgAを抽出し、IgAヒンジ領域のみを精製した。精製されたIgA1ヒンジ領域をBRUKER ultraflexを用いてMALDI-TOF MSを施行し、ヒンジ領域のO-glycanを解析した。すると、IgA腎症患者ではGalNAc3の割合が他に比べて有意に高く、逆にGalNAc 5,6の割合が有意に低かった。これは1ヒンジ領域に結合している平均糖鎖数が、IgANでは他の2群に比べて有意に少なくなっていることを示唆している。しかし、IgA沈着症と健常者の間に糖鎖結合数に関しては有意差はなく、今回の検討ではIgA沈着症と健常者の間でIgA沈着の有無の差が糖鎖構造に起因するかどうかまでは解明できなかった。
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