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2017 年度 実績報告書

高品質血液RNAを用いた腎細胞癌新規血液バイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 16K20140
研究機関大阪大学

研究代表者

木内 利郎  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30747069)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード腎癌 / 血液 / 遺伝子 / CXCL7 / バイオマーカー
研究実績の概要

前回の報告に続き、術後の評価が可能であった症例において、原発巣摘除前後の末梢血液細胞におけるCXCL7の発現をPCR法にて比較した。検討した10例では全例で術後に発現低下を認め、病勢のモニタリングに有用である可能性が示唆された。
PAXgeneは血液中の全てのRNA(主に好中球,PBMC由来)を抽出している。そこで健常者,癌患者から好中球,PBMCを採取し,CXCL7の発現の局在を定量的PCR法にて比較した。
その結果CXCL7は主にPBMCに発現していることが明らかになった。
この結果から末梢血液細胞におけるCXCL7の発現変化はPBMCにおける発現変化を捉えていたと考えられた。そこでPBMCにおけるCXCL7の発現上昇が,腎癌の存在により引き起こされていることの検証として以下の実験を行った。まず腎癌細胞株Caki-2、786-OおよびコントロールとしてHEK293T細胞株を2日間培養し、健常者より採取したPBMCをトランスウェルインサートに播種し、共培養。18時間後にPBMCを回収しCXCL7の発現上昇が同様にみられるか定量的PCR法を用いて検証した。するとCaki-2および786-Oと共培養したPBMCにおいてコントロールのHEK293Tと共培養したPBMCと比較し、有意にCXCL7の発現が上昇していました。末梢血液細胞におけるCXCL7の発現変化はPBMCにおける発現変化を捉えていたと考えられた。腎癌細胞株と共培養した健常者由来のPBMCにおいて、CXCL7は有意に発現上昇していた。末梢血液細胞におけるCXCL7の発現は腎癌の診断・モニタリングの新規バイオマーカーになりうると考えられた。CXCL7は主にPBMCに発現しており、腎癌の存在により発現上昇することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expression level of CXCL7 in peripheral blood cells is a potential biomarker for the diagnosis of renal cell carcinoma2017

    • 著者名/発表者名
      Kinouchi Toshiro、Uemura Motohide、Wang Cong、Ishizuya Yu、Yamamoto Yoshiyuki、Hayashi Takuji、Matsuzaki Kyosuke、Nakata Wataru、Yoshida Takahiro、Jingushi Kentaro、Kawashima Atsunari、Ujike Takeshi、Nagahara Akira、Fujita Kazutoshi、Imamura Ryoichi、Ueda Yuko、Kitae Kaori、Tsujikawa Kazutake、Nonomura Norio
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 108 ページ: 2495~2502

    • DOI

      10.1111/cas.13414

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 末梢血液細胞の遺伝子発現解析による腎癌新規バイオマーカーの探索2017

    • 著者名/発表者名
      木内利郎
    • 学会等名
      第76回日本癌学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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