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2017 年度 実施状況報告書

腎癌血清で減少する糖蛋白の生物学的役割と臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 16K20146
研究機関琉球大学

研究代表者

仲西 昌太郎  琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (40725321)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード腎癌
研究実績の概要

平成28年から実施してきた研究内容および、成果について以下に詳述する。
目的:画像診断技術の進歩や人間ドック等のスクリーニング機会の増加とともに腎癌の発見頻度は増加している。しかし、それらの中の25-30%は発見時すでに転移を来した進行癌で発見される。限局性腎癌の予後は良好だが、局所進行もしくは転移のある腎癌の予後は未だ不良である。そのため、腎癌血清バイオマーカーの探索は、腎癌の早期発見ひいては腎癌の予後改善に必須の課題である。そこで本研究は、他の癌腫で患者血清中での濃度上昇が報告されているRCC-GP1を用いて、腎癌患者血清におけるその濃度を調べ、バイオマーカーとしての可能性について探索した。
方法:clear cell RCC (以下cc RCC)64例、non-clear cell RCC(以下non-cc RCC) 22例、non RCC 63例の患者血清を用いて、それぞれの血清RCC-GP1濃度を、ELISAを用いて測定した。次にcc RCC患者の臨床データとの相関を検討した。また、ROC曲線を作成しRCC-GP1の精度を検討した。
結果:血清中のRCC-GP1濃度はcc RCC患者においてnon RCC患者より有意に高かった。一方non-cc RCC患者では高くなかった。cc RCC患者におけるRCC-GP1濃度はTステージおよび遠隔転移の有無、組織学的gradeと有意に関連していた。血清RCC-GP1濃度の、cc RCC患者とnon RCC患者とを鑑別する能力は、AUC=0.73 (95% CI: 0.6439-0.8169)であった。結論:血清RCC-GP1濃度はcc RCC患者の臨床ステージおよび組織学的gradeと関連していた。RCC-GP1はcc RCCの血清バイオマーカーになる可能性がある。

上記内容を2018年4月に開催される日本泌尿器科学会総会で発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

腎癌患者血清の集積状況が思わしくなく、研究が思うように進んでいない。

今後の研究の推進方策

外来や病棟レベルでの患者説明および同意取得を精力的に実施し、血清の数をさらに増やすように計画している。

次年度使用額が生じた理由

研究に必要な物品購入費に充てる。
次年度は本研究の集大成として論文発表およびそのデータの学会発表を予定しているため、その旅費などにも使用する予定である。

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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