本研究では,筋層非浸潤性膀胱癌のおける BCG 抵抗性や筋層浸潤癌における治療抵抗性に関連する局所微小環境中免疫細胞および全身炎症状態との関連を模索した。治療前の腫瘍組織切片に制御性 T 細胞および 腫瘍関連マクロファージが多いと治療成績が不良であったことから,これら 2 つの免疫細胞が癌細胞の免疫寛容性に関与していることが示唆された。また,BCG 膀注実施中の患者の尿検体内免疫細胞の経時的変化解析では,B 細胞系リンパ球マーカーはほとんど変化せず,制御性 T 細胞マーカー FOXP3 をはじめとした多くの T 細胞系リンパ球表面抗原の発現上昇をとらえることができ,今後の臨床応用が期待された。
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