前立腺全摘除術の際に生じる尿道括約筋の損傷は、術後尿失禁の原因となる。筋肉・神経・血管系細胞への分化を有する骨格筋由来幹細胞(Sk-SCs)を用いて、この尿失禁治療を目標とした。ヒト腹直筋から採取、精製した骨格筋由来幹細胞(Sk-SCs)を、ヌードラット尿道括約筋損傷モデルに移植した。移植細胞は、CD34+/45-(Sk-34) と CD29+/34-/45-(Sk-DN/29+)として抽出した。移植群では、6週後に尿道内圧の回復を認めた。移植細胞は、骨格筋細胞、シュワン細胞、神経周膜細胞、血管系細胞に分化することが証明され、さらに移植細胞のパラクライン効果による活発な血管形成が証明された。
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