これまで研究者は卵巣がん幹細胞に対してGSKJ4が細胞死を誘導し、また残存した細胞のがん幹細胞性を喪失させることを報告してきた。その後の共同研究者との研究で、GSKJ4が卵巣がん幹細胞のみならず、非小細胞肺がんのがん幹細胞においても細胞死を誘導し、またそのがん幹細胞性を喪失させることを見出した。このことにより、GSKJ4のがん幹細胞に対する効果が、卵巣がん幹細胞に特異的なものではなく、がん幹細胞に普遍的に効果のある可能性が示唆された。さらに共同研究者との研究により、GSKJ4とメトホルミンを併用することでがん幹細胞に対する効果を上乗せすることが出来ることを見出した。既にメトホルミンに関しては単剤でがん幹細胞に対して細胞死誘導効果とがん幹細胞能喪失効果があることを報告しているが、今回の研究結果により、作用機序のことなるがん幹細胞標的治療薬を併用することの有効性を証明することができた。 以上の研究結果は「Impact of H3K27 Demethylase Inhibitor GSKJ4 on NSCLC Cells Alone and in Combination with Metformin」として既に論文化、国際的学術誌に掲載済みである。 また、これまでの研究成果は日本産婦人科学会学術集会および北日本産婦人科学会にて報告している。
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