卵巣明細胞腺癌株4種類に、ビタミンAおよびビタミンDの添加による細胞増殖をみたところ、OVISE、OVTOKO、TOV-21G の細胞株においては細胞増殖抑制効果がみられた。これは、ビタミンAおよびビタミンD受容体が結合してテロメラーゼの転写が抑制され、細胞増殖抑制効果がみられたと考えられた。一方、ES-2の細胞株においては細胞増殖抑制効果がみられなかった。ES-2の細胞株はTERT プロモーター[-129~-154bp]領域に変異のある細胞株であるため、ビタミンA,Dの抑制作用が解除されて、テロメラーゼの転写が亢進すると考えられた。
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