研究成果の概要 |
本研究では、閉経後女性が肥満をきたすメカニズムについて、動物モデルを用いて検討した。エストロゲン受容体rapid, non-genomicシグナル特異的ブロックマウスは、野生型マウスに比べ体重増加をきたし、自発的活動性と熱産生が低下し、白色脂肪組織の褐色化(ベージュ化)が抑制されており、脳視床下部において脱リン酸化酵素であるPP2Aの活性が低下していた。本マウスにPP2A活性化薬を脳室内投与すると肥満が改善した。以上から、エストロゲン受容体rapid, non-genomicシグナル経路が、中枢神経系のPP2Aの活性化を介してエネルギー代謝に関わっていることが示唆された。
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