近年、間葉上皮転換(MET)は組織・器官形成など多くの重要な生命現象に関与しているが、その詳細な機構はあまり明らかにされていない。これまで間葉系幹細胞がある条件培養またはマウス移植モデルで上皮様マーカーが発現することがわかってきた。本研究はMET現象をin vitro/in vivoで再現し、リアルタイムで観察できるモデル構築を目的とした。上皮様細胞をin vivoで再現することはできたが、モデル化までは至らなかった。しかしながら、薬剤添加研究の結果、Raf-MEKまたはWnt/βカテニンシグナルがMETに関与する可能性が示された。この結果はMETシグナル制御の足掛かりになることが示唆された。
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