妊娠がHTLV-1キャリアにどのような影響を与えるかについて明らかにするため、キャリア妊婦における妊娠、分娩に伴う経時的なHTLV-1プロウイルス量(PVL)の推移について検討した。キャリア妊婦36名において、妊娠中はPVLが横ばいで推移したが、産褥期におけるPVLは妊娠中のそれと比較して有意に上昇していた。さらに、キャリア妊婦および非感染妊婦における制御性T細胞数および可溶性IL-2受容体の推移を比較することで、産褥期におけるHTLV-1 PVLの上昇はHTLV-1感染細胞の増加によることが示唆された。これらの研究結果はHTLV-1母子感染予防プログラムの確立に有用である。
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