子宮筋腫は最も頻度が高い婦人科良性腫瘍であるが、発症過程や増殖機構などは十分に解明されていない。子宮筋腫の研究における遅滞の大きな原因の1つは、適切な実験動物モデルの欠如である。本研究では、ヒト筋腫組織を用いた簡便なマウス皮下移植モデルを考案し、移植筋腫の発育を確認するとともに、筋腫組織の移植に適した子宮筋腫摘出術式及び腫瘍内における筋腫の部位を分子生物学的および組織学的な解析を行うことによって探索した。本研究により、作製が容易で移植後も発育する新しいヒト子宮筋腫マウスモデルを確立した。このマウスモデルは、子宮筋腫に対する新しい治療法の開発に役立つと考えられる。
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