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2016 年度 実施状況報告書

頭頸部癌に対する分子標的薬を中心としたアジュバントによる免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K20223
研究機関旭川医科大学

研究代表者

熊井 琢美  旭川医科大学, 医学部, 助教 (00596306)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード腫瘍免疫
研究実績の概要

本研究では、難治性の頭頸部癌におけるアジュバントを用いた有効なペプチドワクチンの開発を目指す。本研究でペプチドワクチンならびに自己T細胞移入療法の頭頸部癌モデルでの有用性を示すことにより、免疫療法が頭頸部癌にも有効であるという強力なエビデンスになることが見込まれる。またペプチドワクチンと分子標的薬の併用というコンセプトは、その他の悪性腫瘍でも検討が為されていない。本研究で分子標的薬を含むアジュバントがペプチドワクチンの効果を増強することが明らかとなった場合、この世界初の治療戦略は頭頸部癌以外の多くの悪性腫瘍にも応用が可能である。さらに、既に臨床応用されているEGFR阻害薬(セツキシマブ) を免疫療法のアジュバントとして用いることは、ペプチドワクチンの迅速な臨床応用に寄与するものと考える。
頭頸部癌や肺癌で臨床応用されているEGFR阻害薬(セツキシマブ、エルロチニブ)処理による頭頸部癌細胞表面上のMHC発現の変化を、フローサイトメトリー法で検討し、その際、IFN-γなどのサイトカインがMHCの発現を相乗的に増強するかを併せて検討した。その結果、EGFR阻害薬もしくはpan HER fanily阻害薬による前処置によってMHCの発現が増加することを明らかとした。
また、c-Met阻害薬を用いることで、TGF-bを産生するリンパ腫細胞株からの免疫抑制サイトカイン産生が抑制されることを明らかとした。
われわれが同定した新規HER-3ペプチド、もしくはEGFRペプチドを用いて樹立した腫瘍特異的CD4ヘルパーT細胞株と腫瘍の共培養系において、EGFR阻害薬等の分子標的薬の効果を検討したところ、分子標的薬で前処置した腫瘍細胞株はT細胞による抗腫瘍活性を受けやすいことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調に経過している。

今後の研究の推進方策

当初の実験計画に沿って、研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

ペプチドを使用する実験に当たり、ペプチドが不足するとT細胞クローンが継代出来なくなり、実験系が成立しない。そのため、切れ目無くペプチドの購入を続ける必要があるため。

次年度使用額の使用計画

ペプチドおよび抗体などの消耗品の購入に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Peptide vaccines in cancer ― old concept revisited2017

    • 著者名/発表者名
      Takumi Kumai, Hiroya Kobayashi, Yasuaki Harabuchi and Esteban Celis
    • 雑誌名

      Current opinion in immunology

      巻: 45 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1016/j.coi.2016.11.001

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Optimization of Peptide Vaccines to Induce Robust Antitumor CD4 T-cell Responses2017

    • 著者名/発表者名
      Takumi Kumai, Sujin Lee, Hyun-Il Cho, Hussein Sultan, Hiroya Kobayashi, Yasuaki Harabuchi, and Esteban Celis
    • 雑誌名

      Cancer Immunology Research

      巻: 5 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1158/2326-6066

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] The identification of nasal NK/T-cell lymphoma-associated antigens for helper T cell-based immunotherapy2017

    • 著者名/発表者名
      Takumi Kumai, Toshihiro Nagato, Miki Takahara, Akihiro Katada, Tatsuya Hayashi, Yasuaki Harabuchi
    • 学会等名
      53rd Korean Rhinologic Society Annual Congress
    • 発表場所
      ソウル、韓国
    • 年月日
      2017-03-12 – 2017-03-12
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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