金沢大学薬学部にて開発された1Ptおよび3Ptという2つの新規薬剤の統計部癌細胞株に対する効果を、従来のシスプラチンと比較した。in vitroでは1Pt、3Pt共にシスプラチンと比較してIC50は高く、in vitro2剤の効果はシスプラチンと比較して、弱い結果となった。対してnude mouse背部皮下にて行ったin vivoではシスプラチンと同等からやや良好な結果となった。2剤の腎障害の程度をシスプラチンと比較した。腎障害モデルマウスにおいて、2剤は腎細胞のアポトーシスを起こしにくい結果となった。3Ptの体内動態をICPを用いて測定した。血中の3Ptは概ねシスプラチンと同等で1hrをピークに1週間後に向けてウォッシュアウトされた。骨におけるプラチナ濃度はシスプラチンでは血中と概ね同様の経過をたどったのに対し、3Ptでは24hr時点でシスプラチンと比較して3倍程度の集積をしめした。以降1週間をめどにシスプラチンと同様にウォッシュアウトされた。3PtはDDSの観点から骨に非特異的にし一時的に集積することがわかった。nude mouse下顎骨浸潤モデルを用いて骨浸潤に対する3Ptとシスプラチンの効果を比較した。評価はCTにて骨溶解部の体積を測定した。3Pt群ではコントロール群と比較して溶解量の減少を認めたが、CDDPではコントロール群と比較して有意差を認めなかった。
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