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2016 年度 実施状況報告書

サイトカイン・ケモカイン産生制御による中耳炎症性疾患に対する新規治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K20249
研究機関岡山大学

研究代表者

野田 洋平  岡山大学, 大学病院, 助教 (00587404)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード中耳炎 / サイトカイン / 好酸球 / 細菌
研究実績の概要

中耳炎のおもな起炎菌は、肺炎球菌やインフルエンザ菌などのグラム陰性菌である。その一方で、炎症が慢性化した場合にはグラム陽性菌が起炎菌となることも多い。近年、多数の抗菌薬に対して耐性を持つ多剤耐性菌による慢性化膿性中耳炎症例が増加しており、臨床上の問題となっている。また、難治性中耳炎のひとつとして、中耳腔に著明な好酸球浸潤を認めるとともに、非常に粘度の高い中耳貯留液が見られることが特徴の好酸球性中耳炎がある。マクロファージ遊走阻止因子はサイトカインの一種であり、化膿性肺炎などの細菌感染による炎症だけでなく、気管支喘息などにおける好酸球性炎症においても重要な役割を果たしていることが報告されている。研究代表者は、マクロファージ遊走阻止因子ノックアウトマウスの中耳にエンドトキシンや卵白アルブミンなどの炎症惹起因子を注入した場合、野生型マウスと比較して炎症性サイトカインやTh2型サイトカインの産生が減少することを確認した。また、中耳腔における炎症細胞浸潤や好酸球浸潤が減弱することを組織学的に確認した。好酸球や薬剤耐性菌が関与する慢性中耳炎症例が増加しており、これらは既存の薬剤や外科的治療では対応困難なケースがある。このため、従来とは異なる視点からの治療選択枝の確立が望まれている。今後の研究によって、マクロファージ遊走阻止因子ノックアウトマウスにおいて炎症が減弱する機序を明らかにし、好酸球性中耳炎や慢性化膿性中耳炎に対する新規治療法を開発してゆく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験機器のトラブルなどもなく、当初の計画通り順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

マウスの実験で得られたデータを参考に、それぞれの炎症因子がヒトの慢性中耳炎症例で発現しているかどうかを確認する。また、ヒトの末梢血単核球を用いて細胞培養を行い、エンドトキシンなどの刺激によって種々の炎症因子の発現がどう変化するかを確認する。

次年度使用額が生じた理由

薬品や抗体などの購入に際して、各社から発売されている類似品を比較し、より安価な物品を購入するよう努力した結果、支出額を削減することができたため。

次年度使用額の使用計画

次年度の薬剤購入に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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