研究課題/領域番号 |
16K20259
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
梅本 真吾 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (10771991)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Th17細胞 / NKT細胞 / α-ガラクトシルセラミド |
研究実績の概要 |
病原微生物の侵入に絶えず曝されている上気道粘膜面には全身系とは異なったユニークかつ発達した免疫システムが存在している。
我々はこれまでにも免疫応答の司令塔として重要な役割を担っている樹状細胞を中心とした上気道粘膜免疫機構の解析を行なってきた。細菌ではNKT細胞と樹状細胞の感染防御における重要性と、更にはTh17細胞との関連について調査を進めている。
本研究では上気道粘膜免疫におけるNKT細胞の役割、特にTh17細胞との関連について検討し、生体防御の観点からその役割について明らかにすることを目的とし、更には樹状細胞、NKT細胞を介した経鼻ワクチン開発へと発展させることを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SPF下に飼育したBALB/cマウスに対してNKT細胞のリガンドであるα-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)を経鼻投与し、免疫誘導組織であるNALT(nasal-associated lymphoid tissue)と免疫実行組織である鼻粘膜(NP)での変化ついて評価した。 NALTにおいて、NKT細胞の絶対数、割合の増加を認め、更に樹状細胞の増加並びに成熟樹状細胞分画の増加を認めた。 鼻粘膜におけるIL-17産生細胞数が、長期(6ヶ月)にわたり増加することが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
Th17産生サイトカインmRNA(Il-17, 22)についてPCRを用いて検証を進める。更に、中耳炎の起炎菌として代表的な肺炎球菌とインフルエンザ菌を用いて、鼻腔からのクリアランスを評価し、その際、Il-17, 22をneutralizationすることでクリアランスの低下があるかを評価し、Th17細胞の影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度行なった実験に用いた試薬などは研究室の在庫があったため新たな購入分は最小限度であった。また国内旅費は大学出張費から請求したため、繰越額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費や論文作成および論文校正に使用いたします。
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