鼻汁中の RS ウイルス量と microRNA の関係を検討するために、鼻汁中の RS ウイルスのコピー数を定量 PCR を用いて算出する系を確立した。またRS ウイルスの定量はプラーク法(PFU/ml)を用いて行うことが一般的であるが、手技が比較的難しく、施設間でのばらつきも大きい。そのためコピー数をもとに PFU/ml を算出する系を確立した。これらの系を用いて、提供された鼻汁検体から定量PCR法を用いて、推定 PFU/ml を算出しプラーク法の適正評価を行った。この成果を「Evaluation of consistency in quantification of gene copy number by real‐time reverse transcription quantitative polymerase chain reaction and virus titer by plaque‐forming assay for human respiratory syncytial virus」として国際学術誌に投稿し受理された。microRNA 検討において小児鼻汁臨床検体を用いてハウスキーピングとなりうる microRNA を同定した。これにより、検体量、濃度に差異のある臨床検体を画一的に定量できる系を確立した。microRNA array 解析から予測された RSV 感染に伴って変動する microRNA は RSV 感染気道上皮細胞において細胞外への放出が確認され,これらは MuV 感染において検出されなかったため,RSV 感染特異的に放出される microRNA である可能性が示唆された。RSV 感染児鼻汁から健常児と比較して有意に検出された microRNA を同定し、鼻汁中に放出されている可能性が示唆された。
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