研究課題/領域番号 |
16K20281
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
杉本 直基 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20771405)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / 鼻茸 / 好酸球 / マクロファージ / 好塩基球 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、いまだ病態に不明な点が多い好酸球性副鼻腔炎の鼻副鼻腔粘膜における好酸球浸潤に至る機序を 自然免疫と獲得免疫の両面から解析を行うことで、好酸球性副鼻腔炎の病態解明と新規治療法の開発を目指すものである。 鼻茸・副鼻腔粘膜、副鼻腔貯留液などの検体の採取目的に、慢性副鼻腔炎患者を 対象に症例登録を行い、また対照症例として眼窩底骨 折整復術・下垂体手術施行症例を登録した。88症例の登録を行い、臨床検査項目として、自覚症状:自記式アンケート調査(7-scal e Linkert scale)、副鼻腔CT所見:Lund-Mackay scoring system を用いて 0-24 にスコア化、鼻ポリープの評価:内視鏡下に観察を行い、0-4 にスコア化、血液検査所見:血中好酸球数、好塩基球、血清総 IgE 値、各種抗原特異的 IgE 値を測定し評価した。 ホルマリン固定し、HE染色した鼻茸・副鼻腔粘膜組織の好酸球をカウントし、さらに好中球、好塩基球、マクロファージ等の浸潤細胞 については免疫染色し、細胞カウント、統計学的評価を行った。 登録した症例を好酸球性副鼻腔炎、非好酸球性副鼻腔炎、コントロール群に分け比較検討し、データ解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
登録した症例に対して、各種細胞(マクロファージ、好中球、好塩基球、肥満細胞、T細胞、B細胞)の免疫組織化学染色し、好酸球性副鼻腔炎、非好酸球性副鼻腔炎、コントロール群を比較し評価を行った。またELISA、Real time PCRによるサイトカインの測定やフローサイトメトリーによる各種免疫細胞(ILC2s 、好塩基球、病原性メモリーTh2細胞)の解析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
術後経過観察により得た情報をもとに再発例と非再発例の2群に分け、前年度と同様に比較解析を行い、再発に関わる免疫細胞の同定を引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な抗体(フローサイトメトリー用抗体など)、試薬類の購入を一部次年度へ繰り越した。次年度においても本研究を行うための調査旅費を計上するとともに、成果発表のための旅費にあてる予定である。
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