研究課題/領域番号 |
16K20296
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
善岡 尊文 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (20548854)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 緑内障 / 血流 / 正常眼圧緑内障 |
研究実績の概要 |
トプコン社との共同開発による新規ドップラーOCT血流計を使用し、神経と血流の関係を評価するため、神経変性疾患である緑内障を対象にドップラーOCTによる血流量の評価を行った。ドップラーOCT血流計は数十マイクロの網膜動脈血管の血流量を自動で測定することが可能である。これを使用し緑内障において半視野障害を伴う患者を対象に上下の網膜耳側動脈血流量と上下の視神経乳頭周囲網膜神経節細胞層(cpRNFL)やガングリオン細胞複合体(mGCC) の厚み、ハンフリー視野計を用いた視野測定を行った。視野計測については上下半視野それぞれの網膜感度の平均で算出した。緑内障群(84眼)、健常群(52眼)を対象とし測定した。昨年度の研究報告より症例数の増加に伴い、解放隅角緑内障群(POAG)、正常眼圧緑内障群(NTG)の2群に緑内障群をわけ、NTGを中心として解析を行った。NTG群において、視野が正常な半視野に一致する網膜におけるパラメーター(血流量、cpRNFL、mGCC、網膜感度)は全て、視野が異常な半視野に一致する網膜より低下していた。次に健常群の半視野とNTG群において視野障害のない半視野を比較した。健常群における半視野と比較してNTG群では網膜耳側動脈血流量は優位に低下していた。しかし、cpRNFL、mGCC、網膜感度には有意差は認めなかった。以上からNTGにおいて、視野に異常がない状態から健常群に比べ動脈血流が低下してくことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究である人眼に対する研究は、問題なく進んでおり概ねデータは取得済みとなっている。基礎研究である動物に対する研究については、人とは違う光学システムが必要であり、ネコについては可能であるが、マウスについては測定できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究については現状のデータで論文作成中であり、投稿していく。動物の測定については低いコストで測定できるシステムを構築し、測定系を確立していく段階である。
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次年度使用額が生じた理由 |
まだ論文投稿料、校正料が次年度に必要となります。また動物実験の継続を必要とするため翌年に計上致しました。
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