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2018 年度 実績報告書

網膜神経節細胞のミトコンドリア動態と細胞死誘導機構の相関性解明とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K20311
研究機関福井大学

研究代表者

三宅 誠司  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (50572765)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード網膜神経節細胞 / ミトコンドリア / 軸索輸送 / 緑内障 / サイトカイン / 酸化ストレス
研究実績の概要

緑内障は網膜神経節細胞およびその軸索が消失する神経変性疾患である。神経細胞は一度障害されると再生を望めないことから、医療現場では病態の進行抑制が最優先事項となる。緑内障の進行抑制には眼圧下降が唯一の科学的根拠を持った治療法である。しかし、眼圧を下降させても進行するタイプも存在しており、その場合は有効な治療法がない。このことから、申請者は緑内障のメカニズムとして、眼圧とは異なる要因によって網膜神経節細胞の軸索輸送が障害を受け、細胞死が誘導されていると考えた。
そこで、本年度は、緑内障の発症に関与すると示唆されている炎症や酸化ストレスによって網膜神経節細胞の軸索輸送機能が受ける影響を動的に検証した。単離した網膜神経節細胞を000.1-1.0μg/mlのTNF-αで処理したところ、1.0μg/mlのTNF-α存在下で24時間後の移動性のミトコンドリアの割合が有意に減少した。これに対し、リソソームなどの酸性顆粒の軸索輸送には影響が見られなかった。さらに、50μMの過酸化水素を処理すると、6時間から12時間経過後に移動性ミトコンドリアが減少する傾向が観察された。しかし、いずれの場合も細胞死に至らなかった。
さらに、NMDA(N-methyl-D-aspartic acid)の添加では軸索輸送動態に変化が見られなかった。また、緑内障患者の房水中で増加すると報告されているIL6を様々な濃度で添加しても細胞死は誘導されなかった。
申請者のグループは、軸索輸送の低下が細胞死の前段階として生じることを報告していることから、サイトカインや酸化ストレスが、眼圧に関係なく緑内障が進行することの一因となる可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Effect of Microtubule Disruption on Dynamics of Acidic Organelles in the Axons of Primary Cultured Retinal Ganglion Cells.2018

    • 著者名/発表者名
      Miyake S, Takihara Y, Yokota S, Takamura Y, Inatani M.
    • 雑誌名

      Curr Eye Res.

      巻: 43 ページ: 77-83

    • DOI

      10.1080/02713683.2017.1370117

    • 査読あり
  • [学会発表] 緑内障性視神経症における軸索障害2018

    • 著者名/発表者名
      三宅誠司
    • 学会等名
      第122回日本眼科学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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