研究課題/領域番号 |
16K20317
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若林 卓 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20733116)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 血管新生 / 血管内皮細胞 / 幹細胞 / Side population / CD157 / 糖尿病網膜症 / 加齢黄斑変性 |
研究成果の概要 |
糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症は中途失明に関わる疾患である。本研究は血管新生に中心的な役割を果たす幹細胞を同定して血管新生との関連を解明し、血管新生を制御する新規治療法の開発を目指すことを目的とした。成果として、①Side population (SP)法を行い網膜・脈絡膜の血管内皮SP細胞を同定、②血管内皮SP細胞に特異的に発現する幹細胞候補分子(CD157)同定(Cell Stem Cell 2018)、③CD157陽性血管内皮細胞が主に静脈に存在し血管のターンオーバーに関与する(血管の幹細胞である)ことを世界で初めて解明した。本研究を進展させ幹細胞を標的とした新規治療法開発を目指したい。
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自由記述の分野 |
眼科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症は中途失明に関わる病気であり、現行治療(レーザー、抗VEGF薬、手術)でも病勢を抑えられない場合がある。このため新たな治療法開発を目指す意義がある。 我々は目の網膜血管や脈絡膜血管に存在する幹細胞を今回はじめて発見した。この幹細胞は、毛細血管のターンオーバーにかかわっていることがわかった。糖尿病網膜症や加齢黄斑変性では、網膜や脈絡膜の毛細血管が障害され、病的血管新生が生じて視力が低下する。幹細胞が目の毛細血管を維持する機能を維持できれば、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性に対してこれまでと異なる視点で新たな治療法を開発できる可能性があるため、今後もさらに研究を進めていきたい。
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