ARPE19細胞を培養し、アドレノメデュリン(ADM)を様々な濃度で付加した。付加した細胞における内因性ADMの発現および補体因子H(CFH)の発現についてreal-time RTPCRで検討したところ、ADM付加の有無および濃度依存性の変化は見られなかった。次に、ARPE19細胞に同様にADMを様々な濃度で付加し、網膜色素上皮細胞(RPE)機能に変化が生じるかを検討したところ、ZO-1染色では有意な発現変化は見られなかった。そこで、RPEの経上皮/内皮電気抵抗測定装置(TER)を購入し、付加の前後でtight junctionに変化が見られるかを検討したところ、有意な変化は見られなかった。過去の文献では網膜血管内皮細胞やその他の細胞ではADMがtight junctionに対しては保護的に働くことが報告されていることから、我々の仮説とは逆にRPEのtight junctionに対しても保護的に働く可能性があると考察した。そこで、tight junctionを傷害させるモデルを現在作成し、ADMによって保護的な作用が見られるかを検討しているところである。
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