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2016 年度 実施状況報告書

角膜上皮細胞の特異性を規定している転写因子の機能解析と相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K20324
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

北澤 耕司  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (10760803)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード角膜上皮 / 転写因子 / ダイレクトリプログラミング
研究実績の概要

コア転写因子の機能解析を行うために、まず6つの転写因子のうちPAX6の解析を開始した。CRISPR/Cas9一体型プラスミドであるレンチウィルスベクターにPAX6をターゲットとしたsgRNAを作成しクローニングを行った。ヒト培養角膜上皮細胞に遺伝子導入してPAX6タンパクがノックアウトされたことをウェスタンブロッティングで確認した。ノックアウトをしても細胞形態は変わらず上皮性を維持していた。しかし、これらの細胞はmRNAレベルで、角膜上皮特異的遺伝子であるケラチン3、ケラチン12、ALDH3A1、クラスタリンの発現が低下し、一方でケラチン1、ケラチン10、インボルクリン、フィラグリンの発現が上昇した。またタンパクレベルにといても同様の発現変化を確認した。またマイクロアレイによる網羅的な解析を行うと、2倍以上の発現上昇した遺伝子は371遺伝子、発現低下した遺伝子は389遺伝子あり、発現上昇した遺伝子は有意にケラチノサイト関連遺伝子が多く含まれたいた。一方で、発現低下した遺伝子には有意に角膜関連遺伝子が含まれていた。この事は、PAX6が非角化粘膜上皮である角膜上皮細胞の性質と、角化上皮である皮膚細胞の性質を制御していることが示唆された。次にコア転写因子の1つであるOVOL2のノックダウン実験を行った。オフターゲット予防に4つのOVOL2ターゲットであるsiRNAを培養角膜上皮に導入し、機能解析を行った。細胞形態変化はノックダウン後に大きく変わり、細胞の上皮性が失われ、線維芽細胞様の形態に変化した。現在、OVOL2をノックダウン後の解析をさらに進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通りにPAX6ノックアウト実験は終了しており、現在OVOL2をノックダウンして、遺伝子発現解析を進めている。

今後の研究の推進方策

予定通り進行しているので、今のままの計画通り進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] OVOL2 maintains the transcriptional program of human corneal epithelium by suppressing epithelial-to-mesenchymal transition.2016

    • 著者名/発表者名
      Kitazawa K, Hikichi T, Nakamura T, Mitsunaga K, Tanaka A, Nakamura M, Yamakawa T, Furukawa S, Takasaka M, Goshima N, Watanabe A, Okita K, Kawasaki S, Ueno M, Kinoshita S
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 15 ページ: 1359-68

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2016.04.020.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Loss of human corneal epithelial cell identity exhibited by deletion of PAX6 using the CRISPR/Cas9 system.2016

    • 著者名/発表者名
      Kitazawa K, Hikichi T, Nakamura T, Sotozono C, Kinoshita S, Masui S
    • 学会等名
      ARVO 2016
    • 発表場所
      Seattle
    • 年月日
      2016-05-01 – 2016-05-05
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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