角膜上皮細胞のコア転写因子の機能解析を行った。角膜上皮細胞にてOVOL2をノックダウンすると上皮細胞の形態から線維芽細胞様の形態に変化し、E-カドヘリンを含む上皮系遺伝子の発現が低下し、バリア機能も大きく低下した。次に眼の発生に重要な転写因子であるPAX6をCRISPR/Cas9でノックアウトすると、角膜上皮特異的タンパクであるケラチン12 (K12)を含む角膜関連遺伝子の発現が低下し、ケラチン1(K1)やケラチン10(K10)といった皮膚関連遺伝子の発現の上昇を認めた。これらの一連の研究結果から、角膜上皮細胞の最終分化に必要な転写因子ネットワークを解明できた。
|