角膜移植の予後のばらつき(長期安定・晩期拒絶など)は何故起きるのか?「Graft」と「Soil」のいずれの問題か?角膜組織移植ではGraftのバラツキはコントロールできないが均質で高度品質を担保の細胞移植再生医療治療が開発されGraft課題は解決したので本研究ではSoilについての検討に入った。その結果、角膜移植対象患者の生体応答は多様であり、患者毎に血清Cytokine ProfileをRadar Chart化すると男女差、年齢など背景因子により多様性の存在することが判明した。 一方、局所微少環境はどの程度多様か?均質か?術前の前房水について検討した。角膜移植の中期効果(移植6ケ月後の角膜内皮細胞密度(ECD)と前房水内サイトカインプロファイルに相関はあるか?移植後6ヶ月のECD基準での3群分け、3ヶ月・6ヶ月のECD変動基準での3群分け、疾病基準(1)(2)での3群分け、性別、Regraftの有無での群分け等で解析し、術前の前房水環境サイトカインプロファイルは移植後の中期予後効果を規定することが判明した。 更に、前房水のmiRNAプロファイルは多様か、前房水Cytokine Profileを規定するか検討した。前房水中にmiRNAが存在し多様性を示した。対照の白内障患者前房水に比較してのでの発現亢進・発現抑制の検討、並びに、上記、Cytokine Profileの類型との連関が認められ、SASP産生高進を介し、疾患病態、細胞変性に繋がる可能性のあるmiRNA5種を同定した。選択されたmiRNAのアルゴリズム解析(Target Scan)で標的遺伝子を推定し、現在、 角膜内皮細胞への導入による機能検定を実施中である。、
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