研究課題
網膜の最外層に光を受容する視細胞は位置し、視細胞が失われる(網膜変性)と失明に至る。視細胞が失われ網膜変性と至る原因は、他因子疾患(加齢黄斑変性)、遺伝性(網膜色素変性症)、網膜剥離、炎症性疾患(ぶどう膜炎)など様々である。手術による治療法が存在する網膜剥離にしても、その治療が遅れ、一度視細胞が失われれば視力は取り戻せない。また個々の疾患の原因は様々であっても、最終的な表現型は視細胞欠失である。加齢黄斑変性(AMD)は先進国においてもっとも頻度の高い失明原因疾病の一つであり、脈絡膜血管新生の有無を問わず最終的には視細胞欠失が、失明を直接的に規定する。加齢・生活習慣・遺伝背景など、AMDの病態形成における原因は多岐にはわたるが、その共通の表現型は視細胞および網膜色素上皮(RPE)細胞の変性・脱落である。その病態形成において慢性炎症・異常免疫応答の関わりが指摘されている。網膜色素上皮(RPE)が重要な役割を担うことが報告されているが、根本的な病態メカニズムは分かっていない。近年、ストレス応答の中心的な分子として低酸素誘導因子(HIF)が、様々な病態生理に関与していることが明らかにされつつある。本研究では、免疫担当細胞が発現するHIFの網膜変性における役割を明らかにする。
すべて 2017
すべて 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件)