本研究において、H病腸管では正常腸管よりも有意にSEMA3Aの発現が高いことが示され、SEMA3Aがこの時期の腸管神経の発生過程に何らかの影響を及ぼしていることが示唆された。さらに正常とH病腸管神経の発生過程での相違を細胞レベルで検証することを目的に細胞培養技術を導入した。SOX10-VENUS陽性の神経堤由来細胞のみをFACSを用いて選択し、培養を行った。そして、神経堤由来細胞からglia細胞への分化の程度が正常とH病腸管では異なることを明らかにし、その結果を発表した。これらの結果により、新しい技術を導入し、H病での腸管神経発生過程の相違について理解を深めることが出来たと考えている。
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