マグネシウム(Mg)合金は、既存の骨固定材料の欠点を補う骨接合材の材料として注目を浴びている。しかしこれまでの研究では、合金の分解率が最も高く、多くのMgイオンが溶出される埋植後初期の生体への影響についての検討がなされておらず実際の臨床での使用方法に即しておらず有益な情報が得られていない。今回の研究の結果から、表面積の大きなMg合金を埋植したとしても、腎臓からの尿排泄と骨への蓄積により体内のMgの恒常性は維持され、埋植初期の生体安全性は保たれることがわかった。本研究の結果はMg合金を医療材料として安全かつ有効に使用する際の基礎的なデータであり、Mg合金が理想的な骨接合材となる可能性を示した。
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