今後の研究の推進方策 |
今回作成したマウスモデルを用いて、健常状態とリンパ浮腫部移植状態、リンパ浮腫に大網移植、リンパ浮腫にリンパ節移植、リンパ浮腫に大網乳斑分割移植の群に分けて、それぞれリンパ管生成に関わるサイトカイン(CXCL13, 19, CCL21, RANKL, IL-7)、接着因子(VCAM-1, ICAM-1),増殖因子VEGF-C,核内転写因子Prox-1, 核内受容体COUP-TFII等について遺伝子発現解析を行う。また、移植組織を回収し、HE 染色、alpha-SMA染色, Podoplanin染色、LYVE-1染色、D2-40染色で評価する。表面抗原FACS解析により免疫機能評価を行う。周囲組織細胞のPROX1・Flt4・CD31発現定量をin situ hybridization法も用いて解析する。リンパ管機能評価をBODIPY FL C16蛍光法、Evans blue dye法、indocyanine green近赤外線法で行う。また、IVISを用いた蛍光法により、種々の移植によるリンパ浮腫の改善効果を経時的観察し、また定量評価を行う。 さらに、乳斑とリンパ節のリンパ管再生に関わる遺伝子のエピジェネティック修飾解析リンパ管形成関連遺伝子のDNAプロモーター領域のCpGislandメチル化率解析を行い、細胞が潜在的に保持する内在的性質の違いを明らかにする。 乳斑の組織親和性解析を行う。具体的には(1)組織を構成する代表的な線維であるタイプI, IIIコラーゲンおよびその他のファイバー、フィラメントに対する乳斑の接着性をcell adhesion assayで測定する。(2)乳斑のコラーゲン分解能を総MMP活性測定、 各MMP分泌能をELISAで測定する。
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