口蓋裂術後に残存する鼻咽腔閉鎖機能不全の原因を解明するために、京都大学大学院医学研究科付属先天異常標本解析センターでの胚子胎児標本の研究と、実際の口蓋裂の手術の際における小口蓋神経の神経刺激を行うことで、口蓋形成手術に重要な口蓋帆挙筋の神経支配についての新たな知見を得た。これまで手術の際に意識されてこなかった小口蓋神経を可能な場合は、温存することが、口蓋裂手術後の言語成績に良い影響を与える可能性が示唆された。小口蓋神経の上流にあたる神経は顔面神経と思われるが、今回の研究では明らかにはなっておらず、今後の研究が待たれる。
|