研究課題
当研究は深部リンパ系のリンパ浮腫発症へのかかわりを明らかにし、それに対する治療戦略を構築することが目的である。しかしリンパ系の解剖は不明な部分が多い為、まず初年度は四肢リンパ系の解剖を明らかにすることを目的としている。従来の解剖方法では細く透明なリンパ管を解剖することが難しい為、臨床現場で用いられるICG蛍光リンパ管造影法を応用し、手早く正確にかつ簡単に解剖情報を可視化できる手技・装置を確立した。またICG蛍光リンパ管造影検査のみでは皮下組織内のリンパ管しか可視化できないので、蛍光リンパ管造影法で標識したリンパ管に直接造影剤を注入する手技、さらには1mm以下のリンパ管でも十分に造影できる造影剤の配合を調節した。またリンパ管内の造影剤の注入だけでなく、それがリンパ節を越えうる造影剤も開発を試み成功した。次年度は、確立した技術を用いて、下肢リンパ系解剖を明らかにしている。その結果、下肢リンパ管は4つのグループに分類することができ、それぞれが独立することがわかった。またそれらが接続するリンパ節の分布も異なることがわかってきた。またそれらの出現率とそれを確実に造影するための検査方法も確立できた。リンパ浮腫患者においてもそれぞれのグループごとに傷害される順序があり、すなわちリンパ節の障害を反映しているものと考えられた。次に深部リンパ系をシンチグラフィにて評価することとした。深部系への選択的造影により、深部リンパ系は早期リンパ浮腫リンパ浮腫においても高率に傷害されていることがわかった。
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