研究課題/領域番号 |
16K20364
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
倉林 孝之 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60513231)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 赤外線 / 血管検出 / 皮弁血行モニタリング / Matlabプログラミング |
研究実績の概要 |
ラットにおける最適な移植組織(皮弁)モデルを作成し、近赤外光照射、観測システムの確立を行った。まず、ラットの犠牲を最小限に押さえるため、実験の前段階として、ヒトの手背及び足背を対象に赤外線照射、赤外線カメラによる観測システムを構築した。その上で、三浦直人ら( "Feature extraction of finger vein patterns based on repeated line tracking and its application to personal identification" Machine Vision and Applications. doi: 10.1007/s00138-004-0149-2) の繰り返しパターン抽出法を数値解析ソフトウェアのMatlabで表現したBram Tonの血管検出プログラムを皮弁に拡張する形で改変し、撮影された画像データで検証を行った。結果、ヒトの血管を十分に検出できることが確認され、ラット皮弁における赤外線による血管検出実験の基礎が整った。 つぎにラットの皮弁血管をクランプさせる簡易的な閉塞モデルで皮弁静脈の変化を観察し、画像データの収集を行った。Wistar系ラットの腹部の島状皮弁を挙上し、皮弁を栄養する血管(大腿動静脈)を摘む(クランプ)など条件を変えて赤外線カメラによる皮弁観察を行った。血管の閉塞前、動脈のみの閉塞、静脈のみの閉塞、動静脈の閉塞に応じた皮弁の血管像変化の検出を試みたが、ラットの血管が人間に比して細く、開発したMatlabプログラムでは十分な血管の検出が困難であった。ラットの週齡、赤外線照明の仕方及び顕微鏡カメラの変更やMatlabプログラムの改変などを通じてラット皮弁モデルのさらなる開発が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトの手背及び足背を対象にMatlabによる血管検出のプログラムの作成まで順調であった。実際にラットの皮弁の静脈を赤外線カメラで検出しようとすると、ラットの血管がヒトに比して細すぎるため開発したプログラムによる血管検出が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
照明やカメラの変更やプログラムの改善を検討していく。また、ラットの皮弁血管がヒトで機能していたプログラムに認識されない原因として、ラットの血管がヒトに比して小さすぎることの他に、麻酔下のラットの体温が低下し血管収縮が起きていることが考えられた。ラットが十分に大きくなる週齢までまち、ラットを暖めるなどして血管をできるだけ拡張させるなど条件の変更を行い、ラット皮弁モデルの確立を模索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
観測システムの改善のため、新たな物品の購入を検討しているが、十分にまとまった資金とならないため。
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次年度使用額の使用計画 |
時年度の交付金と併せて観測システムの構築に必要な物品の購入にあてる予定である。
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