マイクロサージャリー(微小血管外科)によって、腸や腹、太ももなどの体の一部を移植(遊離皮弁移植)することで、癌の摘出や重症の怪我で失われた体の重要な部分を治すことができるようになった。移植した組織の血流の観察(血行モニタリング)が手術の成否に関わってくるが、信頼できる方法が開発されていない。そこで、組織内の静脈の形状から個人を識別する静脈認証技術を血行モニタリングに応用することを考えた。ラットの腹の一部を移植組織に見立て、血行を遮断した場合の組織内の静脈の形状の変化を静脈認証で用いられる赤外線で観察した。結果、栄養血管が閉塞した場合、組織内の静脈がダイナミックに変化することが明らかとなった。
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