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2017 年度 実施状況報告書

頭蓋縫合閉鎖に関わるメカノバイオロジーの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K20368
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

坂本 好昭  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10464835)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード頭蓋縫合早期癒合症
研究実績の概要

昨年度までの研究で、癒合部分でエストロゲン受容体の発現を見出すことができた。
これは、これまで胎児側の要因とされてきたが、胎児期の母胎からのエストロゲンが関与している可能性が示唆された。そこで、正常マウスにおいて生後1週間ほどで自然癒合するposterofrontal sutureに着目して検討を行った。すなわち、この自然癒合する縫合の癒合過程を検討することで、早期癒合の病態解明につながるのではないかと考えた。一般に加齢に伴いエストロゲンが減少すると骨端線が閉鎖することは 知られており、そのことから母胎でのエストロゲン、あるいはその応答が減少することで早期に頭蓋縫合が癒合するのではと考えた。posterofrontal sutureはヒトのmetopic sutureに該当し、生後しばらくすると自然閉鎖する縫合である。posterofrontal sutureとの比較としてsagittal sutureでのエストロゲンレセプターの発現を比較検討した。その結果エストロゲンレセプターβの発現に関しては有意差はなかったものの、エストロゲンレセプターαの発現は癒合段階にある posterofrontal sutureで多く発現しているという新知見を得た。現在、母体中のエストロゲン濃度を変化させることで、胎児でのエストロゲンレセプターαに影響を 及ぼすか、また破骨細胞・骨芽細胞・RANKLの活性化についての確認を行う。またその他、胎児の エストロゲンレセプターαの発現量に影響を及ぼす母体中のたんぱく質につき検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年新たに見出したエストロゲンレセプターの発現に着目して検討を行ったところ、癒合段階にある縫合ではエスとロエンレセプターαの優位な発現を認めた。

今後の研究の推進方策

ストロゲンレセプターαの発現量に影響を及ぼす母体中のたんぱく質につき検討を行う。エストロゲン、エストロゲンレセプターとそれらの関連性について検討するために、そこでエストロ ゲンレセプターαノックアウトマウスでの癒合過程の検討を行うとともに、選択的エストロゲンレセプ ター抑制剤であるフルベストラントを投与した際での癒合を抑制できるかについての検討を行う。癒合過程のメカニズムが判明した場合、原因となるタンパク質を投与、あるいはposterofrontal suture以外の縫合で部分的に過剰発現させた際に頭蓋縫合の癒合が生じるのかを確認する。

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公開日: 2018-12-17  

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