研究課題/領域番号 |
16K20371
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
青木 雅代 日本医科大学, 医学部, 助教 (40465282)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / 核酸外用薬 / 創傷治癒 / ケロイド / 肥厚性瘢痕 |
研究実績の概要 |
まず、ポジティブコントロールとして、スーパーカーボネートアパタイト(sCA)を用いた外用による遺伝子導入を、マウス創傷モデルで行った。100ugの発現プラスミドを用いてsCAを作成し、約250mlのワセリンベースの外用薬を作成した。マウス創傷に塗布して48時間後に創部を検体として採取し、タンパクを抽出した。ウエスタンブロットを行ったところ、タグタンパクの発現を確認することができた。これは、外用での遺伝子導入法として、sCAが有用であることを示している。表皮バリアがない創傷においては、外用での導入が可能であり、以降の実験におけるポジティブコントロールにすることにした。この成果は、論文の一部として発表する方針であり、現在論文を作成中である。 次に、計画していた表皮バリアを通過するかの実験に取り組んだ。正常皮膚で真皮まで遺伝子を伝達できるかどうか、また、どの深さまで伝達されるかを確認するため、フルーツ蛍光タンパク発現プラスミドを用いて検討することにした。この時点で、慎重に計画を練った結果、計画をやや変更して、GFPではなくより感度の高いフルーツ蛍光を用いることにした。マウス背部に外用で導入し、まずはin vivo imaging system(IVIS)を用いて蛍光を検出し、検出を確認したら免疫染色蛍光法を用いて深度を確認する、という実験計画を立てた。 現在、パイロットスタディを終了し、条件を決定するところまで行っている。今年度より本実験を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、28年度中にsCAが表皮バリアを通過するかを見極め、29年度はマウス肥厚性瘢痕モデルでのsiRNA外用薬の効果を検討していくというものであった。実際は、表皮バリアを通過するかの検討がまだ途中となった。 臨床業務との両立において、思ったより実験にエフォートを注ぐことができなかったのが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
やや進捗は遅れたものの、期待したとおりのデータが得られている。 引き続き、計画通りに推進していく予定である。 研究を遂行する上で、臨床業務との両立が最大の課題である。時間を有効に使うよう綿密な計画を立てる、研究協力者に協力を要請するなどを強化し、予定した期間までになるべく研究を遂行するように努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大型機器は共用のものを使用し、不都合はなかった。また、小型機器を比較的自由に借用できたため、購入の必要がなく、高額な物品を購入する必要がなかった。 また、パイロットスタディの段階であったので、購入を必要最低限に抑えた。 また、ヒト3D皮膚モデルなどの比較的高価な物品を使用する実験が、次年度にずれこんだ。
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次年度使用額の使用計画 |
本実験が次年度にずれこんだため、次年度は予定金額を上回る可能性が高い。 計画通り、必要な物品の購入に使用し、本実験を進めていく。
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