研究課題/領域番号 |
16K20371
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
青木 雅代 日本医科大学, 医学部, 講師 (40465282)
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研究協力者 |
松本 典子
高部 和明
小川 令
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ケロイド・肥厚性瘢痕 / siRNA / TIMP-1 / ナノ粒子 / 細胞外マトリックス |
研究成果の概要 |
我々は、マウス肥厚性瘢痕モデルで、新たなsiRNA治療の効果を検討した。TIMP-1(コラーゲンの過剰沈着に関与する因子)の発現を抑制するsiRNA (siTIMP1) を、ナノ粒子スーパーカーボネートアパタイト(sCA) に包埋し投与した。 siControl(siCON)-sCAまたはsiTIMP1-sCAを局所注射した。siTIMP1のグループは、siCONのグループに対して、有意な瘢痕サイズの縮小を認めた。また、siTIMP1の瘢痕で、1型および3型コラーゲンの有意なタンパク減少を認めた。 siTIMP1-sCAは、ケロイド・肥厚性瘢痕の新たな治療戦略として有望である。
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自由記述の分野 |
形成外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケロイド・肥厚性瘢痕は、非常に治りにくく、罹患者数も多い。しかし、主に有色人種に発生すること、ヒトにのみ発生し動物モデルがないことなどから、未だ発生機序は不明である。現在でも特に有効な治療法がなく、治療に長期間を要するため、より有効な治療薬の開発が望まれている。 今回我々は、特定の遺伝子発現のみをノックダウンするsiRNAを用いた新たな治療方法について検討した。ケロイダルコラーゲンと呼ばれる、ケロイド内の固い線維を1週間ほどで分解・消失させることに成功した。この治療法は、ケロイドの治療期間を大幅に短縮し、クオリティオブライフの向上が見込まれる。さらなる検討と臨床応用が期待される。
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