MEPMは敗血症に対し経験的に投与されることが多い広域抗菌薬であるが,重症患者では臓器不全や血液浄化療法の実施により血中濃度が不安定になりやすく,過少投与,過剰投与が懸念されていた.MEPM血中濃度を一般病院で測定することは困難であるが,本研究によりCHDF施行中の患者においても0.5g×8時間ごと,もしくは1g×12時間ごとの投与により十分な血中濃度が維持できることが確認されたため,今後TDMを施行する必要がないことが裏付けられた.同様に,治療効果が得られない場合には,MEPMを増量する意味はなく,MEPM耐性菌やMEPMが無効な病原体の関与を考え治療薬を変更すべきであることが明確となった.
|