ヒト人工多能性幹細胞由来神経細胞にプロポフォールが長時間作用した場合の影響を検討した。プロポフォール50μg/mlを48時間作用させると、NAD+/NADH比は40.1%、ATPは17.9%、生細胞プロテアーゼ活性は15.9%低下し、カスパーゼ3/7活性 は24.0%上昇した。電子顕微鏡所見では、プロポフォール50μg/ml群でミトコンドリア分裂像やそれらを貪食するようなオートファゴソーム像、細胞質内の空胞化を認めた。ヒト神経細胞において、プロポフォールの高濃度かつ長時間の曝露により、電子伝達系の抑制によるミトコンドリア機能障害およびアポトーシスによる細胞毒性が誘起されることが示唆された。
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