研究課題/領域番号 |
16K20382
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
神田 倫秀 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40421177)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 敗血症 / 創傷治癒 / 高気圧酸素治療 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、高気圧酸素治療が感染に与える影響と創傷治癒に与える影響について検討を行った。 感染に与える高気圧酸素の影響として、感染への高気圧酸素の直接的な作用と薬物動態/薬力学的作用の両側面から検討を行った。感染モデルとして当初、創傷汚染ラットの作製を計画していたが、投与薬物量が実験規模から考えると多くなること、治療効果を生存率まで含めた検討ができることから、ラットよりマウス(C57BL6)に変更した。開始時はグラム陰性桿菌細胞壁外膜構成成分のリポ多糖 (LPS)を腹腔内投与した敗血症モデルマウスを使用し検討を行ったが、高気圧酸素治療による生存率の改善は認めない結果となった。そのため、次いで敗血症のモデルマウスとして大腸菌腹膜炎モデルマウスで検討を行った。本敗血症モデルマウスは、マウスの糞より採取した大腸菌のシングルコロニーを培養し、腹腔内投与することで得られるモデルマウスである。現在、高気圧酸素治療施行時間と回数、大腸菌投与量について検討を重ねている。薬物動態/薬力学的作用は当院薬剤部、岐阜薬科大学実践社会薬学研究室に協力いただき、薬物濃度の測定を開始している。マウスにMEPMを経静脈投与し、血液、各諸臓器の濃度を測定し、高気圧酸素治療の影響を検討する。 創傷治癒の検討にはSDラットの背部にスキンパンチを行い、筋膜上まで露出する皮膚欠損傷を作製し、経過観察群と高気圧酸素治療群の治癒過程を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画立案時と異なり、ラットよりマウスへの実験動物の変更を行うこととなったこと、そして治療の要である高気圧酸素チャンバーが故障しており、修理が必要となったため、今後検討の遅れが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
確立した実験系で検討を進め、知見を積み重ねていくことに加えて、高気圧酸素治療マウスのマイクロアレイ解析を行い、観戦制御、創傷治癒に関連する遺伝子を同定し、検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度末に高気圧酸素装置が故障したことにより、検討実験が予定よりも遅延し、余剰金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
高気圧酸素装置は修理しており、今後の検討には問題ない。余剰金を平成29年度に繰り越し、検討を進めていく。
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