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2017 年度 実施状況報告書

低体温療法時の感染症管理をいかに行うか?:包括的治療戦略構築へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 16K20384
研究機関三重大学

研究代表者

鈴木 圭  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40585171)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード感染症 / 低体温 / 血液凝固障害
研究実績の概要

本研究は、集中治療室における特殊な感染症、特に低体温療法中に生じる感染症に焦点をあて、すでに我々が樹立している全血PCR法を併用し、これら特殊感染症、低体温下に生じる感染症の実態を把握し、有効かつ現実的な早期感染症診断マーカーの確立と治療介入の必要性を検証することを目的としている。

平成28年度は低体温症の合併症として生じる感染症の疫学情報を集積したほか、集中治療室で治療を受ける患者背景に基づく特殊感染症を把握し、個々の症例を中心に報告してきた。平成29年度は、これら症例を収集する中で、これらの感染症に生じる血液凝固障害が次第に明らかとなってきたことから、播種性血管内凝固症候群に注目し、早期診断による効果ならびに、早期診断方法についての解析を平成28年度から引き続いて行った。症例が集積されるにつれ、低体温管理下に置いては凝固障害が生じやすい可能性が示唆され、これは併発する感染症により増悪することが明らかとなってきた。

体温管理下においては当然ながら感染症発症の際に体温が上昇せず、体温の変化を感染症診断の手がかりにすることはできない。従って、バイオマーカーを中心に感染症発症の有無を検討するわけであるが、基礎疾患によってバイオマーカーは大きく変化するため、これも万能とはいえない。現在、上述の知見を踏まえて、低体温療法管理中の凝固マーカーを中心に検討を加え、低体温下を中心に生じうる感染症の早期診断への有用性と、早期診断による治療効果について検討を加えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当院に搬入される心肺停止患者のうち、蘇生後低体温療法が実施できる症例は約20例と見込んでいたが、ガイドラインの改定もあり、低体温の温度設定を平温(36度)にした症例もおおく、当初想定していた症例よりも少ない結果となった。また、研究を進めるにあたり、凝固障害などの新たな知見も得られてきたことから、研究方法の一部見直しが必要であった。

今後の研究の推進方策

平成29年度の結果を受け、低体温療法管理中の凝固マーカーを中心に検討を加え、低体温下を中心に生じうる感染症の早期診断への有用性と、早期診断による治療効果について検討を加える予定である。また、症例が集積されるにつれ、興味深い知見が得られた症例も散見されることから、これらをまとめていく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Sepsis-Associated Encephalopathy with Multiple Microbleeds in Cerebral White Matter.2018

    • 著者名/発表者名
      Shindo A, Suzuki K, Iwashita Y, Tomimoto H.
    • 雑誌名

      Am J Med.

      巻: 131 ページ: e297-e298

    • DOI

      10.1016/j.amjmed.2018.02.012.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Superior mesenteric artery syndrome leading to reversible mucosal gangrene.2017

    • 著者名/発表者名
      Uemura S, Suzuki K, Katayama N, Imai H.
    • 雑誌名

      Acute Med Surg.

      巻: 4 ページ: 375-376

    • DOI

      doi: 10.1002/ams2.283.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] An Evaluation of the Activated Partial Thromboplastin Time Waveform.2017

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto T, Wada H, Fujimoto N, Toyoda J, Abe Y, Ohishi K, Yamashita Y, Ikejiri M, Hasegawa K, Suzuki K, Imai H, Nakatani K, Katayama N.
    • 雑誌名

      Clin Appl Thromb Hemost.

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      doi: 10.1177/1076029617724230.

  • [学会発表] 敗血症性ショックを伴うARDS患者に対する当院のECMO戦略2018

    • 著者名/発表者名
      岩下義明, 鈴木圭, 江角亮, 池尻薫, 伊藤亜紗実, 佐々木賢, 平本拓也, 行光昌宏, 加藤隆史, 今井寛
    • 学会等名
      第45回日本集中治療医学会学術集会
  • [学会発表] 臨床所見より疑い得たエチレングリコール中毒の1例2018

    • 著者名/発表者名
      江角亮, 鈴木圭, 池尻薫, 伊藤亜紗実, 今井寛
    • 学会等名
      第45回日本集中治療医学会学術集会
  • [学会発表] 急性骨髄性白血病に対する化学療法中に合併した敗血症性ARDSに対して、集学的治療にて救命した1例2018

    • 著者名/発表者名
      山口貴則, 鈴木圭, 中村彰秀, 岩下義明, 今井寛
    • 学会等名
      第45回日本集中治療医学会学術集会
  • [学会発表] Imaging in sepsis-associated encephalopathy2017

    • 著者名/発表者名
      Fujioka M, Shindo A, Suzuki K.
    • 学会等名
      international congress of chemotherapy and infection 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 非典型的な症状で発症した上腸間膜動脈症候群の2例2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木圭, 池尻薫, 伊藤亜紗実, 平本拓也, 石倉健, 大森教成, 藤岡正紀, 武田多一, 今井寛
    • 学会等名
      第20回日本臨床救急医学会

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公開日: 2018-12-17  

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