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2018 年度 実績報告書

細菌由来フェノール酸に注目した新たな敗血症マーカーの探索と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K20402
研究機関東海大学

研究代表者

辻 友篤  東海大学, 医学部, 講師 (50580312)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード敗血症 / フェノール類
研究実績の概要

前年度までの研究では、血液中のフェノール、Benzoic acid、3-Phenylpropionic acid(3-PPA)、Cinnamic acid、3-Phenyllactic acid(3-PA)、4-Hydroxyphenyllactic acid(4-HPA)を対象にして分析を行ったところ、敗血症の指標になりうる可能性が得られた。
そこで本年度は、血液中フェノールの分析を内部標準法によって正確に測定を行い比較した。【方法】はじめに、内部標準物質としてBenzoic acid-d5を選択して上記5種類の化合物の定量用の検量線を作成した。抽出は、前年度までと同じく珪藻土カラムを用いた。フェノールの分析は、TMS誘導体化後、ガスクロマトグラフ質量分析計で行った。フェノールの定量法の設定後、敗血症患者5例と健常者9例の血液中フェノールの定量を実施した。また敗血症群でICU滞在期間やAPACHスコア、SOFAスコアといったICU重症度スコアとの相関関係を評価した。【結果】敗血症と健常者の検体を比較したところ、3-PAと4-HPAにおいて有意差が得られた(p<0.01、p<0.01)。一方、ICU滞在期間との相関関係を認めたフェノール類はなく、3-PPAはAPACHスコアに相関関係はみられた(相関係数0.98)ものの、他のフェノール類に相関関係は認められなかった。【考察】昨年度と同様、4-HPAは敗血症では健常者と比べ有意に上昇していた。しかし昨年は有意な差がなかった3-PAが今回有意な差を認めていた。また昨年同様ICU滞在期間やICU重症度スコアと相関を認めるものは同定されなかった。検体数が少ないことが大きく影響しているものと思われる。マウスによる比較では有意な差が認められなかったものの、フェノール類のうち4-HPAは敗血症の指標になる可能性があるものと考えられる。

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公開日: 2019-12-27  

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