近年、様々な組織間でのコミュニケーションの存在が明らかとなり、生体の恒常性維持や病態の発症に関与することが報告されている。そこで本研究では、骨-脂肪コミュニケーションに注目し、脂肪細胞に対する破骨細胞分泌因子の影響を検討した。その結果、破骨細胞から特異的に分泌されるカテプシンKが脂肪細胞分化を促進する可能性が示唆された。また、IL-1β曝露により誘導された病的活性化破骨細胞ではインスリン抵抗性に関与する遺伝子の発現が変動していることが判明した。以上の結果から、破骨細胞は骨-脂肪コミュニケーションの一端を担う可能性が十分に考えられる。
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